衝突の彼方に
粒子加速機により物理学の進歩はあった、といってもいい。
最初に実用化されたのが原子爆弾や水素爆弾ってのも皮肉な話だが。
原子爆弾の基本原理は、比較的ウラニウム型の方は簡単である。
ウラン235を臨界に達しない量用意して二つに分け、爆弾で加速しぶつけ、
高速で臨界突破させる。
プルトニウム型は少々厄介である。
ウラニウム型のように簡単には臨界に達せず、核分裂を起こせない。
複数の起爆装置でプルトニウムを連動させて衝突させないといけない。
長崎に投下されたプルトニウム型は、実は完全な成功ではなかった。
(完全に成功してたらどうなってたか想像するだけで恐ろしい)
昨年北朝鮮が行った核実験も完全な成功とは言えない。
それでも十分に脅威であるのだけれども。
とにかく、原子爆弾は核分裂の際に発生する中性子を他の原子核に
ぶつけることにより、連鎖的に原子核が分裂し膨大なエネルギーを発生させる。
原子爆弾や水素爆弾は使っちゃならんものだったかもしれない。
あんな結果になると予測したこと科学者はいなかったろう。
対艦隊戦で使われていたらどうなっていたか?…ある程度の推定ができる。
1946年にビキニ環礁で行われた艦隊に対する核実験がそれだ。
意外ではあるが瞬時に沈んだ艦は少なかった。
ただ、艦の損傷は激しく、恐らく中の人間も被爆するため、応急処置もできずに
沈んでいくはずだ…。事実、次々と艦は沈んでいった。
皮肉な話だがなかなか沈まず残ったのは日本の戦艦、長門であった。
米軍では長門の最後の姿を見て、"Old Navy Never
Die!"(海の古兵は死せず!)
と書き記したそうだ。かつてビッグセブンと呼ばれた戦艦のプライドだろうか?
いつ沈んだのかも記録に存在しない。まるで消えたようだったそうだ。
「老兵は死せず、ただ消え去るのみ」マッカーサーは自らが退役する時
そう語ったが、長門の最後もまさにそうだったといえよう。
20080614:掲示板で、ネバダは沈まなかったというご指摘がありました。
話を粒子衝突実験に戻そう。
人類はその後も、粒子加速機で様々な粒子を加速し続けた。
対象となったのは電子などだ。電荷もあり、加速しやすい。
その結果、電子というのもより細かい存在からなることが明らかとなる。
中間子や各種クォークなどが代表例である。
これらも粒子を加速させ、衝突させることで生成されたものだ。
現在のところ、反物質作るのも粒子加速機ないと無理である。
巨大粒子加速機は一時期建造されなかったが(アメリカですら建造中止した)
CERNで巨大な粒子加速機が作られ、マイクロブラックホールすら作成可能だという。
マイクロブラックホール作る前にマイクロ中性子星作ってそれぶつけたら…
天体観測などの結果から答えが出てきてしまった…
中性子星どうしが衝突すると、その破壊力は超新星爆発をも凌駕すると考えられるのだ。
そして、下手したら我々もその結果生まれたのかもしれない…
超新星爆発を凌駕って…もう想像の範囲外だよ…
鉄以上の重金属はおそらくそうやって生まれたはずである。
(実は星の中の核融合では発生し得ない。起きるとすれば超新星爆発など)
さらに、ブラックホール同士の衝突はもっとすさまじいものになるだろう。
銀河規模に衝撃波が伝わり、星々が砕け散ることになる。
それなんてギャラクシアンエクスプロージョン?
銀河一つぐちゃぐちゃにするって…銀河系には1000億の星があるのに
それ全部ぐちゃぐちゃって壮絶すぎるだろ。
しかし…CERNのマイクロブラックホールだけど、1つだけできたらいいけど
複数が同時に誕生したらどうなるんだろ?ブラックホール同士の衝突って
想像以上にヤバいかも知れない。
CERNではそこらへんコントロールできるのかなぁ…ちと不安になってきた。
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